インターネットを利用してAmazonプライムやNetflixなどで動画を観ようとすると、まれに「お住まいの国では~」といったような警告メッセージが出て視聴できない場合があります。
これはジオブロック(地域制限)によるもので、基本的にサービス提供国以外からの視聴が制限されている状態を指します。
本記事では、ジオブロックの解除する方法や、解除・回避することに違法性はないのかについて解説していますので、ジオブロックにより動画が視聴できず困っている方はぜひ参考にして下さい。
ジオブロック(地域制限)とは
インターネット上で、特定の地域のIPアドレスからのアクセスを制限することを「ジオブロック(地域制限)」と言います。
この制限は、動画配信サービスやウェブサイトなどでよく行われており、著作権や法律、契約期間など様々な要素が関係しており、基本的にサービス提供国以外からの利用を制限する目的があります。
例えば、日本のNetflixやAmazonプライムで提供されている動画は、中国やアメリカからなど日本国外からアクセスすると、ジオブロックが機能し、視聴できません。
ジオブロック(地域制限)を解除、回避するのは違法なのか?
結論から言えば、何らかの手段を講じてジオブロック(地域制限)を解除、もしくは回避することはただちに違法行為にはなりません。
ただし、著作権法に基づく保護されたコンテンツのジオブロックを回避しようとする場合、そのコンテンツが海外での利用が許可されていない場合は、違法行為になる可能性があります。
また、サービスを提供しているサイトやコンピューターに不正アクセスすることでジオブロックを解除、回避を試みようとするのは、罪に問われる可能性が高いです。
まとめると、法律に沿った手段でジオブロックの解除を行うのなら基本的に違法行為とはなりませんが、利用しようとしている手段が適切かどうかを確認することが重要ということです。
ジオブロックを解除する方法
ジオブロックを解除する方法には、いくつかの方法がありますが、ここでは、代表的な方法を4つ紹介します。
① VPNサービスを利用する
VPN(Virtual Private Network)とは、インターネット上に暗号化された通信トンネルを作り、セキュリティ性が高く、匿名の通信を行えます。
VPNサービスを利用すれば、自分のIPアドレスを他の国のものに変更できるため、ジオブロックを解除することができます。
VPNサービスは、本記事で紹介するジオブロックを解除する方法の中でも最も安全かつ確実で、導入も難しくないため、非常におすすめです。
また、VPNサービスには無料で使えるものと毎月支払いが発生するサブスクリプション形式の有料のものがありますが、セキュリティの観点から、契約するなら有料のVPNサービス一択です。
② Torブラウザを利用する
Tor(The Onion Router)ブラウザは、インターネット上で匿名性を高めるために使われるブラウザです。
一般的なWebブラウザと同様に、ウェブサイトを閲覧することができますが、Torブラウザは通常のブラウザとは異なる点がいくつかあります。
ジオブロックを回避する手段として用いる場合に関係するTorブラウザの特徴として、トラフィックを複数のサーバーを経由して暗号化できることが挙げられます。
自身の普段使っているIPアドレスを隠し、匿名性を確保するため、ユーザーは自分のアクセス元を特定される心配がなく、ジオブロックを回避することが可能です。
ただし、Torブラウザを利用することによって、ネットワーク速度が遅くなることや、一部のWebサイトが正常に表示されないことがあります。
したがって、一般的なWebサイトを閲覧するだけであれば、Torブラウザの利用は必要ありません。
③ プロキシサーバーを利用する
「プロキシサーバー」とは、インターネット上の情報を仲介するサーバーのことで、Webブラウザからのアクセスを代理で行い、利用者のIPアドレスを隠すことができます。
ジオブロックを回避するためには、利用者が所在する国以外のサーバーを経由することが必要となるため、プロキシサーバーを利用し、本来のIPアドレスを隠せる特性が有効になります。
しかし、プロキシサーバーには以下のようなリスクを抱えており、使用する際には注意が必要です。
- 通信内容が傍受・改ざんされる可能性がある
- プロキシサーバー自体が不正な目的で利用されている場合がある
いずれにせよ、完全に安全なプロキシーサーバーであることを確認するのは困難なため、ジオブロックを回避する手段としてはあまりおすすめできません。
④ スマートDNSやDNSチェンジャーを利用する
スマートDNSは、DNSサーバーとプロキシーサーバーを組み合わせ、インターネット接続時のトラフィックを解析し、特定の地域や国に限定されたサービスにアクセスする際には、その地域に属するDNSサーバーを利用することで、ジオブロックを解除・回避する方法です。
一方、DNSチェンジャーは、チェンジャーアプリ内にリストアップされたいくつかのDNSサーバーの中から、任意なものを選択し、接続情報を変更し、ジオブロックの解除・回避を試みる方法です。
両者におけるVPNサービスとの大きな違いは通信を暗号化しているかどうかという点で、VPNサービスの通信はトンネリングなどにより暗号化されるのに対して、スマートDNSとDNSチェンジャーは通信の暗号化は一切行われていません。
したがって、普段とは別のDNSを利用することでジオブロックの解除・回避ができたとしても、匿名性や安全性は確保されないため、おすすめの方法とは言い難いです。
VPNを使ったジオブロック解除方法
VPNを使ったジオブロック解除方法には、以下のようなメリットがあります。
VPNを利用するメリット
VPNサービスを利用すると、主に以下のメリットがあります。
- 安全で匿名性の高い通信を行うことができる
- 低価格で導入できる
- ジオブロック以外の目的でも活躍する
まず、ジオブロックを解除する手段としてVPNサービスを利用すると、プロキシーサーバーなどのような他の手段よりはるかに安全で匿名性の高い通信を行うことができます。
そして、価格が安いVPNサービスを契約すれば月あたりたったの数百円程度で、高いセキュリティによる安心感を得ることができ、ジオブロックを解除する手段として利用せずとも、日頃から匿名性が高く安全なインターネット通信を行えます。
以上の事から、VPNサービスはジオブロックの解除のみだけでなく、日常的にインターネットを利用していて、個人情報の漏えいや不正アクセスなどに対して何かしらの対策を講じたい人におすすめです。
VPNを使った解除方法の手順
以下は、実際にVPNサービスに接続し、ジオブロックの解除を試みる流れを紹介しています。
ジオブロックを解除する手段として推奨しているVPNサービスを契約します。
おすすめのVPNサービスに関しては次項で詳しく解説しています。
各VPNサービスが提供しているVPNアプリを用いて、自国以外に設置されている中継サーバーを選択し、接続します。
アクセスしようとしてるサービスを提供している国に設置されている中継サーバーを選択するのが一番確実です。
上記画像はVPNアプリの一例として紹介していますので、実際にVPNサービスに契約した後はそれぞれのアプリの操作手順に従って下さい。
接続した中継サーバーが設置されている国が、アクセスしようとしているサービスにジオブロックされていなければ、無事解除され利用が可能になります。
万が一利用できなかった場合は、別の国の中継サーバーに切り替えて、再度アクセスを試してみて下さい。
VPNを利用する際の注意点
VPNを利用する際には、以下の点に注意を払いましょう。
- 無料のVPNサービスは情報漏洩の危険性が高いため、信頼できる有料VPNサービスを選ぶ
- VPNを使用する国の通信に関わる法律を把握しておく
- VPNサービスのセキュリティ対策やプライバシーポリシーを確認する
VPNサービスには無料で利用できるものと、毎月の支払が発生する有料のものと2種類あります。
無料のVPNサービスでも確かにジオブロックの解除は行えるのですが、セキュリティが万全ではなく、利用者の個人情報などが晒される危険性があるため、おすすめできません。
したがって、ジオブロックの解除にVPNサービスを利用するつもりなら、必ず有料VPNサービスを選びましょう。
そして、有料VPNもサービスの内容だったり、プライバシーポリシーが異なるため、契約前に十分に下調べをし、少しでも信頼のおけるVPNサービスと契約しましょう。
特に重要なのは、「ノーログポリシー」であるかどうかです。
ノーログポリシーとは、VPNサービス提供者がユーザーのオンラインアクティビティに関する情報を保存しないことを意味します。
ちなみに、オンラインアクティビティには以下の内容が含まれます。
- IPアドレス
- 接続時間
- データトラフィック(量・種類)
- セッションログ
- アプリケーション情報
無料のVPNや有料であってもノーログポリシーを掲げていないところは、上記のようなオンラインアクティビティが通信相手に丸わかりとなり、最悪の場合は不正アクセスなどの被害にあってしまいます。
最後に、VPNの利用は世界各国どこの国でも許可されているわけではありません。
例えば、中国、北朝鮮、ドイツ、ベラルーシなどの国において政府が認めていないVPNサービスの利用は違法、もしくは規制されています。
ジオブロック解除におすすめVPN3選
VPNサービスは国内外問わず非常に多くの企業から提供されていますが、以下の3社がサービス内容、価格など様々な観点から非常におすすめのVPNです。
本項ではそれぞれの特徴について初心者でも分かりやすく解説していますので、ぜひ契約の参考にして下さい。
NordVPN
NordVPNは海外製のVPNサービスで最も知名度が高く、サービス開始より多くのユーザーに利用され続けています。
世界中に1,400万人以上という、トップクラスのユーザー数から、質の高いサービスを提供していることが伺えます。
運営会社 | NordVPN s.a. |
国 | パナマ共和国 |
対応OS | Windows/Mac/iOS/Android/Linux |
同時接続台数 | 6台 |
最安価格(税込) | 440円〜/月 |
NordVPNのおすすめポイントは以下のとおりです。
- 圧倒的に高い知名度
- バランスの取れたサービス内容
- 数多くの動画サービスに対応
何かしらのサービスを契約しようとした場合、有名なサービスと無名なサービスなら、人間の心情として有名な方を選択したくなります。
その点において、NordVPNは知名度が高いだけではなく、サービス内容もしっかりとしたものになっており、全世界に1,400万人を超えるユーザーを抱えることがその裏付けになっています。
NordVPNは通信速度やセキュリティ対策など基本的なサービス内容も文句なしなのですが、数多くの動画サービスに対応している点も特徴のひとつで、ジオブロックの解除目的として最適なVPNサービスのひとつと言えるでしょう。
総じて、NordVPNは欠点らしい欠点のない高水準のVPNサービスです。
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MillenVPN
MillenVPNは日本の企業である「アズポケット株式会社」が運営している純国産のVPNサービスです。
運営会社 | アズポケット株式会社 |
国 | 日本 |
対応OS | Windows/Mac/iOS/Android |
同時接続台数 | 10台 |
最安価格(税込) | 396円〜/月 |
MillenVPNのおすすめポイントは以下のとおりです。
- 安心の純国産のVPNサービス
- 完全日本語対応によるヘルプやサポートの利用しやすさ
- 2年契約時のコストパフォーマンスの高さ
MillenVPNは、日本の企業が運営し、公式ページやサポートに至るまで全て日本語で提供されています。
したがって、ジオブロックの解除にVPNサービスが有効だと聞いて契約しようと考えたけど、英語ばかりのサイトで諦めてしまった、といったような、英語が苦手な方でも、契約から利用までつまづくことなくスムーズに行えます。
また、公式サイトにて対応している動画サービスが画像にて分かりやすく提示されており、ジオブロックを解除しようとしているサービスが含まれているかどうかが一目で分かります。
さらに、MillenVPNは2年契約時の割引率が62%と高く、1カ月あたり396円で高品質なVPNサービスを利用できてしまうコストパフォーマンスの高さも魅力です。
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Surfshark
Surfsharkは2018年に設立されたオランダに本社を構えるVPNサービスです。
VPN業界全体としては比較的若いサービスになりますが、デバイスの同時接続台数が無制限など、他社にはない優れた点を有し、確実にユーザーを増やしている注目のVPNサービスです。
運営会社 | Surfshark B.V. |
国 | オランダ |
対応OS | Windows/Mac/iOS/Android/Linux |
同時接続台数 | 無制限 |
最安価格(税込) | 298円〜/月 |
Surfsharkのおすすめポイントは以下のとおりです。
- デバイスの接続台数が無制限
- 7日間のフリートライアルを実施
- セキュリティ対策パッケージ「Surfshark One」を提供
Surfsharkの一番の特徴は何と言ってもデバイスの接続台数が無制限という点です。
ほとんどのVPNサービスは同時接続台数5台~10台程度なのに対して、Surfsharkは無制限なので、特に複数台のパソコンや各種携帯端末を業務で使用している企業や家族間での利用におすすめです。
さらに、VPNサービスの中では珍しく完全無料の7日間のフリートライアルを実施しているため、契約したけどジオブロックの解除ができなくて損をしてしまったということが避けられます。
また、ウイルス対策など各種セキュリティ機能がひとつとなった「Surfshark One」を提供しており、ジオブロックの解除以外でも、純粋なセキュリティの強化目的の導入にも適しています。
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ジオブロック解除に関する注意点や補足事項
実際にVPNサービスを契約してジオブロックの解除・回避を試みたものの、うまくいかず失敗してしまったという方へ向けて、注意点や補足事項、対処法を解説します。
ジオブロック解除に失敗した場合の対処法
VPNサービスを利用してもジオブロックの解除、回避が正常に行えない場合があります。
例えば、今まで問題なくジオブロックの解除を行えていたとしても、サービスを提供する側が対策を立ててしまうと、VPNサービスなどを使ってIPアドレスを変えたとしても利用できなくなります。
また、VPNサービスを利用していてジオブロックの解除に失敗した場合は、サポートに問い合わせて状況を説明するのも有効な対処法のひとつです。
IPアドレス単位で遮断されてしまう可能がある
一部のサイトやサービスでは、IPアドレス単位で遮断されているため、例えVPNサービスを始めとした本記事で紹介したジオブロックの解除方法を試しても通用しない場合があります。
IPアドレス単位でジオブロックされているかどうかの判断は難しいですが、VPN接続を行ってもジオブロックが解除されない場合は、中継サーバーを変えてみて、遮断されていないIPアドレスであれば問題なくアクセスできるようになります。
一部の国ではVPN接続自体を禁止している
VPNサービスを契約してジオブロックの解除を試そうと思っても、そもそもVPNの利用自体を禁止している国があります。
その場合は、本記事で紹介したVPNサービス以外のジオブロックを解除する手段を用いると良いのですが、メリットよりデメリットの方が大きいため、おすすめはできません。
特に規制ではなく、法律で禁止されている国でのVPNサービスの利用は絶対に避けましょう。
以下の国は、政府が承認していないVPNサービスの利用を法律で禁じていたり、規制をかけています。
- 中国
- イラン
- ベラルーシ
- トルクメニスタン
- ベラルーシ
これらはVPNサービスの利用を法律で禁止している国の一部に過ぎません。
他にもインターネットによる通信の制限や監視が行われている国がありますので、VPNサービスを使用する際には、現地の法律や規制をよく確認することが重要です。
ジオブロック解除の方法のまとめ
今回紹介したように、ジオブロック解除の方法はいくつかありますが、VPNサービスを利用することが最も簡単で安全な方法です。
ただし、VPNサービスの利用自体が法律で禁止・規制されている国もあるため、契約してジオブロックの解除を行う際には、それぞれの国の法律を事前に確認しておくことが重要です。
また、VPNサービスはジオブロックの解除のみならず、高いセキュリティにより日常のインターネット通信においても安心感を与えるため、クレジットカードの不正利用などの犯罪が増え続ける中、今後ますます需要が高まっていくと予想されます。
ぜひ本記事を参考に、自分に合ったVPNサービスを見つけ、快適なインターネット通信を実現して下さい。