日本に住んでいて、「海外のサイトにアクセスしたいのにできない」「海外のコンテンツを見たいけど視聴できない」といった経験をしたことがある人は多いのではないでしょうか。
海外サイトの中には日本からアクセスができないものや、視聴制限のあるものなどがあるため、これらのコンテンツを見たい場合はVPNを利用する必要があります。VPNを利用すると、高いセキュリティレベルの通信を保ちながら海外のコンテンツを楽しむことが可能です。
本記事では、VPNを使って日本から海外のサーバーに接続する方法について解説します。VPNサービスの選び方や注意点なども紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。
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日本から海外サイトが見れないのはなぜ?
日本にいると、海外サイトが見れないことがあります。
これはIPアドレスに原因があり、IPアドレスによってアクセスしようとしている地域が特定されるため、法律やライセンスの問題で表示されるコンテンツを選別しているのです。
IPアドレスはインターネット上の住所のようなものであり、どの国のどの地域からアクセスしようとしているのかがわかる仕組みになっています。そのため、海外で有名な動画や音楽の配信サイトであっても、日本からのアクセス制限がかかっていると日本から試聴することはできません。また、海外から日本のサイトや動画配信サービスを視聴するのにも、地域制限が入っているとコンテンツを見ることができません。
この場合は海外から日本のサイトに接続できるVPNを利用する必要があります。
このようにインターネット上でコンテンツを配信するにあたって、配信・運営者側がある特定の地域からの視聴や利用を制限する機能をジオブロック(地域制限)と呼びます。
IPアドレスによってアクセスが制限されているため、IPアドレスを変えることで国内外を問わずさまざまなサイトやコンテンツへアクセスできるようになります。その方法が「VPN」による仮想専用線を使った通信方法であり、IPアドレスを偽装してサーバーのある国からアクセスしているようにできます。
日本から海外のVPNに接続するメリット
VPNを利用するメリットは、海外のコンテンツにアクセスできることだけではありません。ここでは、日本から海外のVPNに接続するメリットとして、以下の3つを紹介します。
- IPアドレスを偽装できる
- セキュリティの高い通信ができる
- 航空券やホテルが安く予約できる
それぞれについて詳しく解説しますので、一つずつ見ていきましょう。
IPアドレスを偽装できる
まずは、上述のようにIPアドレスを偽装して日本から海外のサーバーへアクセスできることが挙げられます。後に詳しく解説しますが、IPアドレスを偽装することは違法ではないため安心してください。
IPアドレスを偽装することで海外のコンテンツにアクセスできるほか、海外のオンデマンドサービスを安く契約することも可能です。例として、ほぼ全世界のNetflixでジブリ作品が配信されているのに対して日本では配信されていないため、VPNを利用してコンテンツを楽しむ方が増えています。
セキュリティの高い通信ができる
VPNを利用することで、暗号化されたセキュリティレベルの高い通信が可能になります。一般的にVPNを利用する目的として挙げられるのは、このセキュリティの強化についてでしょう。
カフェやファミレスなどのフリーWi-Fiは誰でも利用できる反面、第三者から通信内容を覗き見されてしまうリスクがあります。しかし、VPNを利用することでVPNサーバーを通して暗号化したデータでやり取りできるため、安心してフリーWi-Fiを使うことが可能です。
テレワークやリモートワークが多い方は、VPNを利用する人が増えています。
航空券やホテルが安く予約できる
VPNを利用して発展途上国など物価の安い国のサーバーからアクセスすることで、航空券やホテルを安く予約できます。
旅行サイトや航空券サイトはユーザーのIPアドレスから位置情報を取得しているため、表示される価格はIPアドレスごとの国の価格になります。そのため、物価が安い国のIPアドレスに偽装して旅行先の予約をすると、少しではありますが費用を抑えられるでしょう。
日本から海外サーバーに接続するVPNは違法?
ここまでの流れにおいて、「日本から海外サーバーへ接続するのは違法じゃないの?」「もしバレたら捕まったりしないの?」と不安に思った方も多いのではないでしょうか。
VPNは基本的には違法ではなく、日本や欧米を含め世界中のほとんどの国で合法です。ただし、VPNの利用を禁止している国もあるため注意しましょう。VPNの利用が違法なのは、ロシア・北朝鮮・イラク・ベラルーシなどの国であり、中国でも認められたVPN以外は違法となります。
今回の場合「日本から海外のサーバーに接続する」という目的のVPN利用のため、違法にはなりません。ただし、VPNを利用して違法行為を行った場合は処罰の対象となるため、当たり前のことかとは思いますが注意してください。
日本から海外サーバーに接続できるVPNの選び方
ここでは、日本から海外サーバーに接続できるVPNの選び方について、以下の5つのポイントをもとに紹介していきます。
- 通信速度
- セキュリティの強度
- 対応デバイス
- 利用料金
- カスタマーサポート
VPNサービスにはそれぞれ特徴がありますので、まずは何を基準に選ぶべきか、自分はどんなサービスが必要なのかなどを考えてみてください。
通信速度
VPNサービスによって通信速度が異なるため、自分が使いたい環境で満足のいく通信が行えるかどうかを確認しておく必要があります。VPNは無料期間が設けられている場合が多いため、期間内に通信の安定性を確かめ、十分な速度で通信が行えるかを確認しましょう。
VPNを利用して動画を視聴したりオンラインゲームをしたりする場合は、そもそものデータ量も大きいため、通信速度は必ずチェックしておくべきポイントといえます。とはいえ、通信速度だけにこだわると料金が高くなってしまうこともあるため、さまざまなサービスを見たうえで比較検討してください。
セキュリティの強度
VPNサービスではセキュリティレベルの高い通信が行えるとはいえ、そのなかでもプロトコルや通信規格などによって強度が異なるため、確認しておくことが欠かせません。
通信の目的に合わせて最適なプロトコルを選ぶのと同時に、情報開示されるリスクが少ない国が運営しているVPNサービスを選ぶことがおすすめです。現時点においては、プロトコルはOpenVPNが高いセキュリティレベルを持ちながら高速通信に対応しているため、頭に入れておくと良いでしょう。
対応デバイス
どのデバイス(Windows、Mac OS、Android、iOSなど)に対応しているのかについても、必ず契約までに確認しておきましょう。VPNサービスでは代表的なデバイスの接続に対応していることがほとんどですが、念のために確認しておくことがおすすめです。
また、同時接続が可能な台数についてもあらかじめ把握しておきましょう。どのような目的・環境でインターネットを利用するのかによっても必要な接続台数が異なりますが、最低でもスマホやパソコン、タブレットなど3つのデバイスで接続可能なVPNサービスがおすすめです。
利用料金
VPNサービスの機能や質ももちろんですが、長期的に固定費となるものであるため、利用料金が適切かどうかも判断基準の一つです。
安さだけで決めてしまうと通信速度にストレスを感じたりカスタマーサポートの質が悪かったりしてしまい、反対に機能面だけで選ぶと毎月の利用料金が高くなってしまうことがあります。
まずはVPNを利用する目的について確認し、予算と相談しつつ最適なVPNサービスを選ぶようにしましょう。契約の更新や解約にお金がかかる場合もあるため、万が一解約する場合の費用までしっかりと確認しておくことが大切です。
カスタマーサポート
トラブルが起こったり何か分からないことがあった場合に、十分なカスタマーサポートが受けられるかどうかも重要な判断ポイントです。
なかでも、万が一の際に迅速に行動してもらえるかが大切になるため、稼働体制(24時間365日など)や日本語への対応、死活問題サービス・トラフィックレポートの有無などを確認しておきましょう。
トラブルが起きてからでは遅いため、事前に対応を任せられるかどうかを見極めるようにしてください。
日本から海外のサーバーに接続できるおすすめのVPN6選
ここからは、日本から海外のサーバーに接続できるおすすめのVPNについて、以下の6つのサービスを紹介します。
それぞれのサービスで特徴が異なるため、一つずつ詳しく解説していきます。それでは、サービス内容や料金について見ていきましょう。
※紹介している料金は、2024年3月現在の価格・為替ルートをもとに記載しています。
NordVPN
NordVPNはコストパフォーマンスに優れたVPNサービスとして有名であり、費用を抑えつつ安定した通信を行いたい方におすすめです。
NordVPNの特徴について、以下にまとめました。
- 世界60か国に5,300台以上のサーバーを持つ
- 通信容量は帯域無制限
- 1つのアカウントで最大6台まで同時接続可能
- アプリが操作しやすい
NordVPNは世界中の豊富な地域から利用するサーバーを選べるため、さまざまなコンテンツが楽しめるでしょう。また、NordVPNは業界初のログなしポリシーを保証したため、セキュリティレベルは非常に高いといえます。
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ExpressVPN
料金 | 1ヶ月:12.95ドル/月 6ヶ月:9.99ドル円/月 12ヶ月年:6.67ドル/月 |
主な特徴 | 通信速度に特化している |
通信速度 | VPNネットワークにおいて速度を重視 |
セキュリティ | AESと256ビット鍵(アメリカ政府と同じ暗号規格) |
保証内容 | 30日間の返金保証 |
対応アプリ | Android、iOS、Windows、Mac、 Linux、Amazon fire TV、Apple TVなど |
ExpressVPNは高速通信に対応しているVPNサービスであり、独自のLightwayプロトコルを採用して超高速通信を実現しています。日本サーバーも多いため、日本から海外の利用だけでなく、海外から日本のコンテンツを楽しみたい場合にもおすすめです。
ExpressVPNの特徴は以下の通りです。
- 世界94か国に3,000台以上のサーバーを持つ
- 帯域無制限の高速通信に対応
- 最大5台まで同時接続可能
- 独自プロトコルのLightwayにより超高速通信が可能
ExpressVPNも世界中にたくさんのサーバーを設置しているため、環境に合わせてさまざまな国のサーバーから通信が行えます。また、独自のLightwayプロトコルのほかにOpenVPN、L2TP/IPSec、IKEv2も選択できるため、セキュリティ対策についてもある程度自分でカスタマイズできます。
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Surfshark
Surfsharkは安い利用料金が人気のVPNサービスであり、充実したサポートが受けられることや同時接続台数が無制限であることから、初心者におすすめです。
Surfsharkの特徴については、以下の通りです。
- 長期間の利用で格安になる
- 同時接続台数が無制限
- 24時間365日サポートに対応
- ログなしポリシーのほか、MultiHopやキルスイッチに対応
Surfsharkは1年プランや2年プランなどの場合は格安で利用できるため、長期的にVPSサービスを利用する予定がある方はお得にインターネットが使えるでしょう。
セキュリティ面においてはログなしポリシーのほか、複数の国を介したネットワークによる個人情報を保護する機能の「MultiHop」や、不正にデータを扱われないための「キルスイッチ」にも対応しています。セキュリティレベルの高い通信が保証されているため、安心して通信が行えます。
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MillenVPN
MillenVPNは2016年に設立された日本のインターネット会社のアズポケット株式会社が運営している日本産のVPNサービスです。
月額396円から使える手軽さでありながら、日本の憲法及び法令を遵守し、総務省への届出も実施している(届出電気通信事業者 E-28-03926)合法的に運営されているサービスであり、運営元が海外や素性が知れない怪しいVPN業者とは根本的に信頼や安心感が違います。
料金 | 1年:594円/月 2年:396円/月 |
主な特徴 | ・日本語対応で使えるサーバーが数が多い ・料金が安く同時接続台数は10台 ・日本企業が運営している安心と信頼性 |
通信速度 | 普通 |
セキュリティ | 256ビットAES暗号化/DNSリークの対策 |
保証内容 | 30日間の返金保証 |
対応OS | 全てのOSに対応 |
おすすめな人 | ・安くて安心して使えるVPNを求めている人 ・海外から日本のWEBサービスや動画配信サービスを見たい人 |
VPNは海外サービスが多い中で、MillenVPNは日本企業が運営している安心と信頼感が違います。日本を含む50カ国に設置されている1,300台以上ものと使えるサーバーが多く、同時接続数は10台まで。何より日本企業が運営しているので、サポートやマニュアルなどは全て日本語で対応してくれます。
初めて利用する場合、使い方に迷う初心者も多いので、日本語で対応してくれるならいざという時の安心感は海外VPNとの大きな差別ポイントになります。
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IPVanish
料金 | 1ヶ月:10.99ドル 1年:4.50ドル/月 2年:3.33ドル/月 |
主な特徴 | 通信速度と強力な暗号化で安定した通信が可能 |
通信速度 | VPNプロバイダの中では高速 |
セキュリティ | AES-256による暗号化(軍事レベル) |
保証内容 | 30日間の返金保証 |
対応アプリ | Mac, Windows, Android, iOS, Linux, Fire TV, Windows phone, Chromebook, Router(DD-WRT, Tomato)など |
IPVanishは通信の安定性が特徴のVPNサービスであり、世界75箇所の地域で2,000個以上のサーバーを持ち、さらに40,000以上のIPアドレスが利用可能です。
IPVanishの主な特徴については、以下にまとめました。
- 高速通信を実現しつつ、高いセキュリティレベルを保つ
- 256ビット暗号化とOpenVPNの高いセキュリティ通信が可能
- ログなしポリシーの徹底
- 同時接続台数は無制限
IPVanishは豊富なサーバー数と高いセキュリティに優れており、距離が離れた地域のサーバーでも高速で安全な通信が可能です。
また、軍事レベルのセキュリティ性能であるAES-256による暗号化方式を採用しており、さらにOpenVPNにも対応しています。
高度なセキュリティ、高速接続
ProtonVPN
料金 | 12ヶ月:8.69 €/月 15ヶ月:4.79 €/月 30ヶ月:3.99 €/月 |
主な特徴 | 高いセキュリティでプライバシー保護に特化 |
通信速度 | 他のVPNに比べてやや劣るが、 VPN Acceleratorを使うことで改善される |
セキュリティ | ・業界標準のAES-256ビット暗号化、 OpenVPNを採用・ログなし方針の徹底 |
保証内容 | 30日間の返金保証 |
対応アプリ | 全てのOSに対応 |
ProtonVPNは高いセキュリティレベルの通信に特化したVPNサービスです。厳しい情報管理が徹底されているため、安心してVPNを利用できます。
ProtonVPNの特徴は以下の通りです。
- ログなし方針の厳しいデータ管理を徹底
- 業界標準のAES-256ビット暗号化、OpenVPNを採用
- 無料でお試し通信が行える
ProtonVPNの本拠地はスイスにあり、スイスはデータ保護の法律が厳しいうえ、ログなし方針のデータ管理を徹底しているため強力なセキュリティが完備されています。
また、軍事レベルとされる業界標準のAES-256ビット暗号化やOpenVPNのプロトコルを採用しており、プライバシーをしっかりと保護された環境でインターネットが利用できます。
30日間の返金保証あり
VPNで日本から海外サーバーに接続する際の注意点
最後に、VPNで日本から海外サーバーに接続する際の注意点について紹介します。ポイントとして、以下の3つを確認しておきましょう。
- 無料のVPNには注意
- 通信が遅くなる場合がある
- 必ずしも安全とは限らない
まずは、無料のVPNサービスの利用には注意が必要です。無料でVPNサービスを提供している会社もありますが、個人情報の収集が目的だったりウイルスなどのプログラムが仕掛けられている可能性も否定できません。そのため、無料VPNはできる限り利用を避けましょう。
また、VPNは一般的なネット回線を通して暗号化された通信を行うため、利用者の多い国や時間帯によっては通信が遅くなることがあります。VPNを利用する以上仕方のないことではありますが、VPNサービスの無料期間などを活用して事前に繋がりやすさを調べておきましょう。
そして、VPNを利用したからといって必ずしも通信が安全とは限らないため、注意しなければなりません。セキュリティ強化として有効な手段ではありますが、最終的には自分で自分の身を守れるように個人情報の入力や決済には気をつけましょう。
VPNで日本から海外サーバーに接続する方法のまとめ
今回は、VPNで日本から海外サーバーに接続する方法について紹介しました。日本からはアクセスできない海外サイトや動画も多く、より多くのコンテンツを楽しむ手段としてVPNの活用がおすすめです。
VPNサービスにはさまざまな種類があり、それぞれで特徴が異なります。そのため、自分がVPNを利用する目的や使用環境に合わせて、最適なVPNサービスを選ぶようにしてください。
また、VPNを利用しても必ず安全とは限らないため、怪しいサイトへアクセスしたり安易に個人情報を入力したりすることは避けましょう。
VPNを上手く活用し、セキュリティの高い通信を行いながら日本でさまざまな海外コンテンツを楽しんでみてください!